ものの数え方・助数詞
= こ =

【知識】「盤」は、権大納言山科言継（ごんだいなごんやましなときつぐ）によって書かれた日記『言継卿記（ときつぐきょうき）（1527年〜1576年）』に「宗喜と碁一盤勝了、中御門と三盤打之、二盤負了」などと見られる。

【知識】囲碁は、碁の漢語的表現。

※ 文化財では一面という表現が見られる。

【知識】「折」は、「進物や献上品などの数え方」として古文書に見られる。「折」は「台に載せたものの数え方」とされ、『日葡辞書（慶長八年・1603年）』に「Fitouori. ヒトオリ（一折）　果物その他食物をのせる丈の高い食卓〔膳〕とか、布、絹、紙などの折り重ねたものとかを数える言い方」と見られる。また、三保忠夫著「日本語助数詞の歴史的研究」によれば、『増補詳註用文章（明治三年・1870年）』には「鯛一折」「鮮魚一折」「海魚一折」などが見られ、また、「書礼調」「御家書」などの文献には「臺にのせたるを一折」と見られるとある。

『日葡辞書』は、1603年・慶長8年 [ ] に発行された、日本イエズス会宣教師の編による日本語・ポルトガル語辞典で、昭和55年・1980年に邦訳版が『邦訳 日葡辞書』として岩波書店から出版された。

【知識】「魚類の八つ以上を一折と書く」と松沢老泉（まつざわろうせん）著の『品物名数抄（ひんぶつめいすうしょう）』（文化七年・1810年）にある。

『諸魚：魚七つまでは員数を書くべし。八つ以上一折と書く』

※編集注：「品物名数抄」に示されている「折」は、『書くべし』『書く』などの表現から推して、進物に添える書状や目録などでの書き方を指南したものか。

【知識】「炷」は火が付いた状態を表し、「一炷」は香のひとくゆり。また、その香のこと。

　『日葡辞書』によれば、「炷」は『火にくべる香の異種や種類を数える言い方」とある。（『邦訳 日葡辞書(岩波書店)』より。『日葡辞書』は、1603年・慶長8年 [] に発行された、日本イエズス会宣教師の編による日本語・ポルトガル語辞典）

【知識】一捻は、香の一つまみ。

【知識】一撮（さつ）は、焼香で香を撮んでくべる回数。

【知識】江戸時代に書かれた「女重宝記（おんなちょうほうき）」（苗村常伯（なむらじょうはく） 撰）に『香は一焼（たき）といふべからず。一炷（しゅ）といふべし」と見られる。

【知識】手に持って使うものは「挺・丁」が使われることが多いが、形によって様々。

※ 文化財では一合という表現が見られる。

【知識】テレビ、ラジオでの広告を指す場合、慣例としてコマーシャルメッセージ（Commercial Message）を省略してコマーシャルと呼ぶ。「CM」は、「Commercial Message」の頭文字。

※ 文化財では一面という表現が見られる。

【知識】蓋の付いた小型容器の総称で、香合（こうごう）、化粧品入、薬味入、印肉入など。

※ 文化財では一合という表現が見られる。

※ 文化財では一棟という表現が見られる。

※ 車地（しゃち）、車盤（しゃばん）とも。

※ 文化財では一基という表現が見られる。

【知識】原則として、1日は8時間、1か月は20日として計算する。1人月は、1人が1か月(8時間×20日間)で出来る作業量。1人が20日（1か月）掛けて行う作業と、20人が1日で行う作業はどちらも同じ1人月として計算される。

【知識】小唄や長唄では、唄い手を「一枚、二枚」と表現する。三味線が二人で唄が一人の場合「二挺一枚」となる。小唄では、一人で弾き唄う独吟か、唄一人、三味線一人の「一挺一枚」、もしくは「二挺一枚」と少人数で演奏される。「二挺一枚」の場合は一人は「替手（かえで）」と呼ばれる別の旋律を演奏する。長唄では、「二挺一枚」の最小の編成から、「十挺十枚」を超える大編成でも演奏される。

【知識】「一客」は、主に接客や特別な機会のために用意したもので。

【知識】「一組・一揃」は、洋食器では六個（枚）、もしくは十二個（枚）。和食器では五個（枚）、もしくは十個（枚）で。

※ 文化財では一棟という表現が見られる。

※ 凍み豆腐・凍り豆腐・氷豆腐とも

※ 文化財では一合、一口（く）、一基、一柄という表現が見られる。

【知識】「一客」は、主に接客や特別な機会のために用意したもので。

【知識】「一組・一揃」は、洋食器では六個（枚）、もしくは十二個（枚）。和食器では五個（枚）、もしくは十個（枚）で。

【知識】重さの単位などで氷の塊を数える習慣もある。
 一貫（かん）[ 3.75kg・一貫目]
 一斤（きん）[ 600g（160匁。1匁＝3.75g）]
 一本（ほん）[ 135kg・三十六貫/三十六貫目]

※ 高野豆腐・凍み豆腐とも

【知識】 はねつき（羽根突・羽子突）の羽根。「つくばね（衝羽根）」などとも。

【知識】香炉一つと、燭立（燭台）一対、花立一対で一組の仏具。

※ 文化財では一具（ぐ）という表現が見られる。

【知識】叺（かます）は、むしろを二つに折って袋にしたもの。紙製の袋が作られるようになってからはあまり使われなくなった。

【知識】「一点」は、『 一点素心（いってんそしん）』という四字熟語に見られる。『一点素心』は、中国明代の『菜根譚（さいこんたん） 』の中の「交友須帯三分侠気。作人要存一点素心。」から来ている。書き下しは「友と交わるには、すべからく三分の侠気を帯ぶべし。人となるには、一点の素心を存するを要す。」で、意味は、「友として交際するには、弱きを助ける心意気を持たねばならない。人として生きるには純粋な心を持たねばならない」などとされる。

【知識】仏事を司る場所としては、通常「一寺」「一山」が使われる。「一宇」「一堂」などは通常建物そのもののを数える場合に使われる。

【知識】「一客」は、主に接客や特別な機会のために用意したもので。

【知識】「一組・一揃」は、和食器では五個（枚）、もしくは十個（枚）。洋食器では六個（枚）、もしくは十二個（枚）で。

【知識】『貞丈雑記（天保14年 [1843年] ）』に「輿（こし）などを一丁・二丁と云うは、「丁」の字「あたる」とよむ字にて、一人あて・二人あてと云う心なり。一人まえ・二人まえと云うに同じ』と見られる。

【知識】「現今万宝新書（明治20年〈1887年〉）」では「挺」の字は使われず「一丁」としている。

※ 文化財では一基という表現が見られる。

※ 文化財では一脚という表現が見られる。

※ 文化財では一領という表現が見られる。

※ 蝶の異称、雅語的表現

【知識】「小柄」は刀の鞘の差裏に添える小刀の柄（つか）。また、小刀そのものを指すことも。差表に副えた笄（こうがい）と併せて一対。

※ 文化財では一口、一本という表現が見られる。

※ 文化財では一挺という表現が見られる。

※ 文化財では一口（く）、一合という表現が見られる。

※ 文化財では一面という表現が見られる。

【知識】「一客」は、主に接客や特別な機会のために用意したもので。

【知識】『喜田川守貞・守貞謾稿』「幼稚の女（略）用う。傾城町の禿（かむろ）は必ずこれを用う。歩行の時、こほり／＼と音する故に名付けて、こっぽり下駄と云う。江戸にもこれあり。号けてぽっくり下駄と云う。これまた音にて号くるのみ」
＊江戸時代、京坂（関西）では「こっぽり」、江戸では「ぽっくり」と言っていたとされる。

※ 文化財では一張、一面という表現が見られる。

【知識】「面」について、『延喜式（えんぎしき）（延長5年〈927年〉［］成立）』に「凡楽器絃料絲。和琴一面。琴一面。箏一面。琵琶一面。阮咸一面。箜篌一面。〓篌一面。新羅琴一面」などと見られる。

【知識】江戸時代に書かれた「女重宝記（おんなちょうほうき）」（苗村常伯（なむらじょうはく） 撰）に『むかしは琴の糸五十筋（すじ） あり、後に数をへらして今の琴は十三筋あり」と見られる。

【知識】「一裹（つつみ）は、『太平記』に見られる。『太平記』は、作者不詳。『日本国語大辞典』によれば、応安年間（1368〜75）の成立か。

『太平記』に見られる「一裹（つつみ）」 [国立国会図書館蔵]

【知識】足袋に付けたこはぜの枚数は、通常二枚から六枚まである。体型や目的に合わせて使われるが、四枚が一般的。

【知識】「鞐」という字は日本で作られた文字で、国字・和字・倭字などと呼ばれる。「裃（かみしも）」や「峠（とうげ）」も国字である。

※ 文化財では一面という表現が見られる。

【知識】「一客」は、主に接客や特別な機会のために用意したもので。

【知識】「一組・一揃」は、和食器では五個（枚）、もしくは十個（枚）。洋食器では六個（枚）、もしくは十二個（枚）で。

【知識】250枚や500枚を1つの単位として販売されることが多い。メーカーや販売店で、1つの包みを「一冊」と数え、例えば、「500枚5冊で1箱」などとするのを見かけるが、「冊」は、通常複数の紙類を綴じたものを数えるのに使われるため、この場合、形状からすると「500枚5包で1箱」などとするのが相応しいのではないかとも考えられる。

【知識】寺社では「一体」「二体」と数え、一般には「枚」で数えられる。

【知識】「一葦」「一掉」は「現今万宝新書（明治20年〈1887年〉）」に見られる。「一葦」は、一枚の 葦（あし） の葉にたとえて一艘の小舟。「一掉」は、棹で操る小舟の数え方に使われるものと思われる。

※ 文化財では一基という表現が見られる。

【知識】テレビ、ラジオでの広告を指す場合、慣例としてコマーシャルメッセージ（Commercial Message）を省略してコマーシャルと呼ぶ。「CM」は、「Commercial Message」の頭文字。

※ 文化財では一軀、一対という表現が見られる。

【知識】『喜田川守貞・守貞謾稿』「駒下駄 日和下駄にて雨中の用にあらず。昔は湿地にのみこれを用う。今は江戸男子褻（け）にて近所に出るには、湿地にあらざるもこれを用う。婦女は晴にもこれを用う。ただ礼服の時のみ雪駄を履く。江俗男女これを専用することは、府内犬多く犬糞を忌むの故なり」

喜田川守貞著 「守貞謾稿」に見られる『駒下駄』

《参考》 歌川広重 「東海道五十三次 日本橋 朝之景」に描かれた『犬』 国立国会図書館蔵 [岩波書店 東海道五十三駅風景続画]

※ 文化財では一基という表現が見られる。

【知識】「米」の単位

• 一石(こく)：約150kg、約180.39 l
• 一俵(ひょう)：約60kg [四斗]、約72.516 l
• 一斗(と)：15kg、約18.039 l
• 一升(しょう)：約1.5kg、約1.8039 l
• 一合(ごう)：約150g、約180.39 ml
• 一勺(しゃく・せき)：15g、約18.039 ml

【知識】米の品質を調べるために、俵に刺して米を取る竹や金属で出来た器具。先を斜めに削いである。

【知識】暦には、現代のカレンダーのほかに、「日めくり」「日暦」「めくり暦」「剥がし暦」「剝ぎ取り暦」「柱暦」「懐中暦」などの呼び方のものがある。このうち、「柱暦」「懐中暦」などは、毎日の日付が記されたカレンダーではなく、立春、春分などの主な日付だけが記されたもの。

※ 文化財では一基という表現が見られる。

【知識】通常、18ホールで1ラウンド。各ホールに規定の打数が定められている。

【知識】通常、18ホールで構成される。各ホールに規定の打数が定められ、18ホールの規定打数の合計を「パーxx」という。「パー72」のコースが最も多い。

※ 文化財では一領という表現が見られる。

【知識】「金剛杵」は、形などによって「独鈷杵（とっこしょ、どっこしょ）」「三鈷杵（さんこしょ）」「五鈷杵（ごこしょ）」「七鈷杵（ななこしょ）」「九鈷杵（きゅうこしょ）」「宝珠杵（ほうじゅしょ）」「宝塔杵（ほうとうしょ）」「鬼面金剛杵」などがある。

※ 文化財では一口（く）、一柄、一握、一個という表現が見られる。

※ 文化財では一口（く）という表現が見られる。

【知識】虫を数える助数詞を「隻」とすることは、『三七全伝南柯夢（文化5年〈1808年〉）』『百家琦行伝』（天保6年〈1835年〉）』『斯氏農書（明治17年〈1884年〉）』などに見られる。「隻」は、魚や鳥、馬などでも使われる。

【知識】かつて北海道では、長さ三尺（約90cm）の昆布50枚を「一把」と数えていたことがある。また、四把で「一駄」と数えた。（参考：北海道福島町サイト、北海道の漁業図鑑サイトなど）

【知識】「折」は、「進物や献上品などの数え方」として古文書に見られる。「折」は「台に載せたものの数え方」とされ、『日葡辞書（慶長八年・1603年）』に「Fitouori. ヒトオリ（一折）　果物その他食物をのせる丈の高い食卓〔膳〕とか、布、絹、紙などの折り重ねたものとかを数える言い方」と見られる。また、三保忠夫著「日本語助数詞の歴史的研究」によれば、『増補詳註用文章（明治三年・1870年）』には「鯛一折」「鮮魚一折」「海魚一折」などが見られ、また、「書礼調」「御家書」などの文献には「臺にのせたるを一折」と見られるとある。

『日葡辞書』は、1603年・慶長8年 [ ] に発行された、日本イエズス会宣教師の編による日本語・ポルトガル語辞典で、昭和55年・1980年に邦訳版が『邦訳 日葡辞書』として岩波書店から出版された。

【知識】「口」は、ヒーターや炎の噴き出し口などの熱源の数で。「基・据え」は、業務用などの据え置いたもので。